窓ガラスフィルムのJIS規格 “JIS A 5759_2016”
「建築窓ガラス用フィルム」のJIS A 5759について
※この規格は、主として建築物の窓・出入口などに用いられる無機ガラスを対象とし、アクリル樹脂板、ポリカーボネイト樹脂板などの 有機ガラスについては対象外です。
建築窓ガラス用フィルムの種類と性能
種類と記号
①日射調整フィルム | ②低放射フィルム | ③衝撃破壊対応 ガラス飛散防止フィルム | ④層間変位破壊対応 ガラス飛散防止フィルム | ⑤ガラス貫通防止フィルム |
内貼り用・外貼り用 | 内貼り用 | 内貼り用・外貼り用 | 内貼り用・外貼り用 | 内貼り用 |
SC-1・SC-2 | LE | GI-1・GI-2 | GD-1・GD-2 | SF |
一般的品質・・・フィルムは、透明性、均一性、強じん性、可とう性、及び温湿度の変化による寸法安定性を持つほか、次による。
- フィルムは、ガラスを汚損又は腐食してはならない。
- フィルムは、ガラスに均一に接着し、かつ、必要に応じて剝がすことができなければならない。
- フィルムは、貼り付けの作業性が良好でなければならない。
※外観は、フィルム透視に差し支えるような汚れ、泡、脈理、きず、異物などがあってはならない。
性能による区分
日射調整フィルム | 低放射フィルム | |
◆可視光線透過率 | 60%未満 | 60%未満 |
◆遮蔽係数/ 熱貫流率(W/㎡・K) | 遮蔽係数 A 0.40未満 B 0.40以上0.60未満 C 0.60以上0.85以下 | 熱貫流率(W/㎡・K) A 4.2以下 B 4.2を超え4.8以下 |
◇可視光線透過率 | 60%以上 | 60%以上 |
◇遮蔽係数/ 熱貫流率(W/㎡・K) | 遮蔽係数 D 0.60未満 E 0.60以上0.85以下 | 熱貫流率(W/㎡・K) C 4.2以下 D 4.2を超え4.8以下 |
◇ガラス貫通防止フィルム
性能による区分 | A 鋼球落球試験 Aに適合するもの | B 鋼球落球試験 Bに適合するもの |
ガラス貫通防止性能 | 鋼球落下試験 A 落下高さ3000±50mm 貫通しないこと | 鋼球落下試験 B 落下高さ1500±50mm 貫通しないこと |
◆フィルムの許容差
◇厚さ:±10%
◇幅:+5mm、-0mm
◇長さ:マイナスを認めない
フィルムの性能
日射調整フィルム | 低放射フィルム | 衝撃破壊対応 ガラス飛散防止フィルム | 層間変位破壊対応 ガラス飛散防止フィルム | ガラス貫通防止フィルム | |
紫外線透過率(%) | 3以下 | - | - | - | - |
引張強さ(N) | 50以上 | 50以上 | 100以上 | 100以上 | 800以上 |
伸び(%) | 60以上 | 60以上 | 60以上 | 60以上 | 60以上 |
粘着力 (N) ※1 | 2以上 | 2以上 | 4以上 | 4以上 | 8以上 |
耐候性:試験時間(h) | 内貼り/1000・外貼り/500 | 1000 | 内貼り/2000・外貼り/1000 | 内貼り/2000・外貼り/1000 | 2000 |
耐候性:試験項目 | ・外観 ・遮蔽係数 ・粘着力 | ・外観 ・熱貫流率 ・粘着力 | ・外観 ・粘着力 | ・外観 ・粘着力 | ・外観 ・粘着力 |
耐候性:評価 | 遮蔽係数は耐候性試験前の 性能値に対し、その変化が ±0.10の範囲とする。 ただし、記号Cと記号Eの 値は0.85以下で なければならない。 | 熱貫流率は耐候性試験前の 性能値に対し、その変化が ±0.4W/㎡・Kの 範囲とする。ただし、 記号Bと記号Dの 熱貫流率は4.8W/㎡・K 以下でなければならない。 | - | - | - |
・フィルムの粘着力は、※1の性能に適合しなければならない。
◇ガラス飛散防止性能
衝撃破壊対応 ガラス飛散防止フィルム | 層間変位破壊対応 ガラス飛散防止フィルム | |
◆ショットバッグ試験 | 1)ガラス破片10個の質量80g以下で、 最大破片1個の質量55g以下 2)落下高さ450mmの加撃を10回繰り返しても ガラスが破壊しない場合。 | - |
◆層間変位試験 | - | ガラス飛散防止率 95%以上 |
※参考資料:日本ウィドウフィルム工業会(厚生労働大臣指定試験機関)